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総動員体制
20世紀の戦争は、国と国とがその力を出し切って戦う「総力戦」として戦われました。国民は、くらしのすべてを戦争に捧げ、食料や日用品も切り詰めて不自由な生活に耐えなければなりませんでした。国民は軍需工場や食料生産に動員されましたが、勝つことを信じて一生懸命働くことを求められました。国民が一丸となって戦争に協力するよう、国民精神総動員運動や、大政翼賛会を中心とする新体制運動がすすめられ、末端は隣組組織に至るまで、国民は一元的に組織されていきました。婦人たちは愛国婦人会、大日本国防婦人会、大日本連合婦人会などに組織されましたが、1942年には大日本婦人会に一本化されて、日常生活の中で戦争のために協力し合うよう全国で女性たちに働きかけました。子どもたちも例外ではありませんでした。少年団、青年団、女子青年団が1941年に大日本青少年団に一本化され、子どもたちに団体精神を植え付け、一致して戦争に協力するよう教育したのです。