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現代の戦争・紛争

(1) サパティスタ人形、帽子、バンダナ

米ソ冷戦の終結で大規模な核戦争の危険は低くなりましたが、未だに武力紛争に悩まされている地域は少なくありません。アフリカでは歴史的な要因や国内外のさまざまな勢力の利害の対立などによって多くの紛争が起きています。ルワンダでは1994年、フツ族とツチ族の対立の中で、50万人をこえる人々が殺される事態が起こりました。南アフリカ共和国では長い間、アパルトヘイトと言われた人種差別政策がとられてきました。ヨーロッパでは欧州連合(EU)による新たな秩序づくりが目指されてきましたが、1990年代のユーゴスラビアでは連邦維持派と独立派の対立が激しい紛争に発展しました。アジアにも植民地支配や冷戦時代の影響が残っていますが、カンボジアではポル・ポト政権の下で200万人が虐殺され、スリランカや、2002年に独立した東ティモールでも、長年の戦争で多くの人々が犠牲になりました。また、ラテンアメリカでも長い間内戦が続いてきましたが、アメリカは反共主義的な政策を基調にグレナダ侵攻やパナマ侵攻など軍事的な介入を行ないました。メキシコのチアパス州では先住民の権利をめぐって「サパティスタ民族解放軍」と政府の対立模様が続いています。