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戦場下の兵士
日本の軍隊は「天皇の軍隊」とされ、軍人は天皇に忠節を尽くすことを求められました。天皇は憲法で「天皇大権」という絶対的な権利をもつとされ、国民の権利は天皇から与えられたものとされていました。こうした天皇絶対体制の下で、日本は1931年に中国東北部で「満州事変」と呼ばれる戦争を起こし、1937年には「盧溝橋事件」を機に中国との全面戦争に突入しました。日本はアジア各地に戦争を拡大し、1941年には真珠湾攻撃でアメリカにも戦争を仕掛けました。しかし、戦争はすぐ負け戦に転じ、1942年のミッドウェー海戦をきっかけに負け続け、特攻などの無謀な攻撃もあって200万人以上の兵士が戦死しました。戦争の中で日本の兵士による残虐行為も数多く見られましたが、中国では「殺しつくし、焼きつくし、奪いつくす」という「三光作戦」も行われ、細菌兵器の使用や軍隊慰安婦問題、さらには捕虜の虐待や強制連行など、多くの非人道的な行為を行いました。日本軍の加害行為を見つめることはつらいことですが、私たちは過去と誠実に向き合わなければならないでしょう。