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日本国憲法
第2次世界大戦後に発足した国際連合は、憲章の第2条4項において、国連加盟国の武力の行使を基本的に禁止しました。また、世界各国の憲法を見ると、侵略戦争を放棄する条項をもつ憲法をもった国も数多くあります。資料は日本国憲法第9条の条文をあしらった素敵なタピストリーですが、「戦争放棄」を定めた日本国憲法第9条は、国際法における戦争の違法化の流れと一致するものであり、各国の憲法に見られる「侵略戦争放棄」の流れとも軌を一にするものです。しかし、日本国憲法は、第9条2項で「戦力を持たない」ことを規定し、世界的な傾向をいっそう具体的、徹底的に推し進めている点で、さらに前進したものと言えるでしょう。また、日本国憲法の前文に述べられている「平和のうちに生きる権利」は、のちに国連総会決議で確認されていますが、平和を人権としてとらえる考え方は先駆的でたいへん重要な視点です。