10
空襲
戦争では国民が軍需工場に動員されたことはすでに見たとおりですが、その結果、軍需工場が空襲を受け、多数の国民が犠牲になりました。また、戦意をなくさせるために、国民生活を破壊するような都市への無差別爆撃も行われるようになり、戦争の被害は軍人だけでなく、非戦闘員の女性や子どもにまで及びました。日本と戦っていた連合軍は、1944年7月にはマリアナ諸島のサイパンを占領し、そこに出撃基地を築いて直接日本本土に空襲を加えるようになりました。1945年3月10日の東京大空襲では一夜にして10万人を超える死者を出しました。アメリカ軍による空襲は日常的に行われ、東京だけでなく、大阪・名古屋・神戸などの大都市は軒並み攻撃を受け、中小都市の住民も含めて約70万人が死傷しました。京都は原爆投下の目標の一つとされていたこともあって、大きな空襲はありませんでしたが、それでも京都府下の空襲で300人以上の住民が亡くなりました。