平和教育研究センターの概要
平和教育研究センターは、国際平和ミュージアムの活動の蓄積を踏まえ、博物館として行なうべき調査研究活動をいっそう促進することを第一義としつつ、教学理念である「平和と民主主義」に基づく「大学立平和博物館」として特色のある調査研究を行い、国際平和ミュージアムの教育・研究機能の発展に貢献することを目的としています。
また今後、各キャンパスで展開されている平和教育、地域問題、人権問題などに関する教育・研究を平和創造に向けて結集していく拠点としての役割を目指していきます。
研究プロジェクト
2025年度 研究プロジェクト一覧
1.植民地資料研究会 代表者:庵逧由香(文学部教授) 日本の植民地(特に朝鮮・台湾)に関する貴重資料の収集・整理・分析・解説を通じて、ミュージアム展示資料の提供、展示開発や若手研究者の資料研究に資することを目的とする。昨年度より実施している故広瀬貞三氏の資料の整理・分析を継続して行う。 |
2.平和博物館における戦争体験継承 代表者:兼清順子(国際平和ミュージアム平和教育研究センター運営委員) 平和博物館における戦争体験継承の在り方を、理論、実践両面から検討し、戦争体験者のいない世代における平和博物館の在り方を提起する。本年度は戦後80年にあたり日本の平和博物館がどのような課題に直面し、戦争体験の継承にどのように取り組んでいるかを調査する。 |
3.自衛隊・米軍基地と地域社会の「軍事化」 代表者:番匠健一(国際平和ミュージアム平和教育研究センターリサーチャー) 世界的な戦争状況に対して日本を中心とする東アジアの「軍事化」(Militarization)と呼ばれる事態を、地域社会との歴史的な関係性に着目して明らかにする。米軍基地・自衛隊基地・軍事演習場の調査を行い、近年の自衛隊基地の実態に関わる情報や各地の反基地運動の団体の資料を収集する。 |
4.スポーツと平和創造 代表者:市井吉興(産業社会学部教授) 「スポーツと平和創造」というテーマをこれまでに追及されてきたオリンピックやパラリンピックに限定せず、様々なスポーツとその特性を活用した多様な平和創造の取り組みに注目し、資料収集、調査、研究、展示を行う。 |
5.「平和」をテーマとするマンガ・オンライン展覧会プロジェクト 代表者:田中聡(文学部教授) ウクライナやガザ地区における長期化した戦争、自然災害や世界規模での疾病など、「平和」を脅かす多様な「暴力」が広範に展開しつつある現代を、一般公募の「オンラインマンガ展」というメディアを持って共有し、記録する。 |
6.戦後日本の平和教育に関する比較史アーカイブズ構築プロジェクト 代表者:鈴木裕貴(衣笠総合研究機構研究員) 47都道府県内の市民団体が戦後どのような平和教育を実施しどのような平和博物館を建設してきたか、文書および聞き取りによる悉皆的な調査を試み、最終的に平和教育に関するアーカイブズ構築を目指す。 |
7.戦時・戦後における文学者を取り巻く時代意識の共時的・通時的研究 代表者:佐々木梓(文学研究科博士後期課程) 昭和期の文学者について、戦時から戦後にかけての諸作品の分析を通して、特定の時点にとどまらない共時的・通時的な視点による作品の位置づけひいては作家の時代意識を明らかにする。 |
8.被爆の実相の継承と、平和のための博物館の国内・国際ネットワークの構築・強化 代表者:山根和代(衣笠総合研究機構客員研究員) 被爆の実相の継承を海外の研究者と交流しながら行い、平和のための博物館市民ネットワークと平和のための博物館国際ネットワークの構築・強化する。 |
9.証言映像アーカイブ研究会 代表者:大月功雄(国際平和ミュージアム学芸員) 東アジア地域の戦争・植民地経験を中心とした証言映像資料の調査・研究を行うことで、平和博物館における映像資料アーカイブの応用可能性について検討する。 |
10.占領期における「平和」概念の文学的変遷 代表者:芥川弘樹(文学研究科博士課程後期課程) 「平和」という抽象概念を占領期において文学はどう捉えていたのか、1945年から1952年の文学作品から明らかにする。 |
11.中国少数民族文化における多様性の調査発表 ―「紙」を通して見る、繋がる― 代表者:望月めぐみ(衣笠総合研究機構 白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員) 日本と中国に共通する伝統的な素材・紙を用いた民間芸術「剪紙(せんし)(切り絵)」を基点に、現在の中国大陸の多様な少数民族文化を調査し、その研究成果を展示発表する。 |
12.附属校平和教育研究会 代表者:六車陽一(一貫教育部) 多様な附属校平和教育の充実を図るとともに、附属校平和教育実践の発信を行う。また京滋の附属校の中から1校の平和教育の実践を視察し,研修を行う。 |
13.メディア資料研究会 代表者:大月功雄(国際平和ミュージアム学芸員) 国際平和ミュージアムの所蔵・展示資料に関する調査研究を行い、ミュージアム資料の活用や若手による資料研究を促進させる。 |
14.博物館の資料研究(戦後社会) 代表者:番匠健一(国際平和ミュージアム平和教育研究センターリサーチャー) 戦後社会の平和運動のなかでベトナム反戦にかかわる様々な平和運動と、戦後の地域社会の諸課題など身近な平和問題に取り組んだ社会運動の両者の関係性、運動資源の継承を射程に入れた調査研究を進める。 |
参考(募集終了 前回募集)
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