【開催報告】2020年度特別展「放射線像/Autoradiograph―放射能を可視化する―」関連企画 オンライントーク「放射線を可視化する方法とその意味について」

2020.10.13 (火)

 9月26日(土)、2020年度特別展「放射線像/Autoradiograph―放射能を可視化する―」関連企画として、本展の作品を撮影された映像作家の加賀谷雅道氏によるZoomを用いたオンライントークを開催し、19名の方にご参加いただきました。
  はじめに、当ミュージアム学芸員から、本展覧会の趣旨と会場内の様子を紹介し、その後加賀谷氏に「放射線像プロジェクト」の活動の経緯と福島での調査の様子などをお話しいただきました。
 お話しの後、会場に展示中の「サッカーボール」、「ヒノキの葉と実」について、学芸員からの質問を交えながら、撮影の方法や撮像されたヒノキに写り込んだ放射線の実態についてご説明いただきました。放射線による汚染は、ガイガーカウンターを用いた測定では外部被曝と内部被曝の違いを知ることができませんが、オートラジオグラフィーの手法では、鮮明に映る外部被曝の様子、ぼんやりと浮かび上がる内部被曝の様子の違いを視覚的に把握することができます。ヒノキの画像では、2011年に降り積もり外部に付着した放射性物質が鮮明に映し出されました。最初の被曝から時間を経て成長したヒノキの葉の先端には外部への鮮明な汚染が見られない一方、植物が放射性物質を内部に取り込み、植物そのものの栄養とともに葉の先端まで届いた放射性物質を全体を浮かび上がらせている様子が印象的でした。