第66回不戦のつどい「わだつみ像」前集会報告

2019.12.23 (月)

 第66回不戦のつどいは、125日(木)に大阪いばらきキャンパス(OIC)、6日(金)に衣笠キャンパス、9日(月)にびわこ・くさつキャンパスにおいて像前集会が開催されました。

 不戦のつどいは、多くの戦場で命を失った学生を偲び、今を生きる私たちが「不戦の誓い」を新たにする場です。「不戦のつどい」において、学生、教職員の誓いを毎年積み上げてきており、この集いを後世にきちんと繋いでいきたいと思います。

 衣笠キャンパスでは「わだつみ像」前に、学生・院生、教職員、学園関係者約130名が集い、平和な世の中の実現のために一人一人が果たすべき役割を確認しました。

 1分間の黙祷の後、山岸真綸学友会中央常任委員長、森島朋三理事長からの不戦・平和への誓いがあり、代表者による献花の後に石原一彦教職員組合執行委員長の挨拶があり、参加者一同が平和への決意を誓いました。

 

    ▲山岸学友会中央常任委員長

 

 山岸真綸学友会中央常任委員長からは、今、私たちが当たり前のように過ごしている環境は、平和があってこそのものであり、社会が目まぐるしく変化している現在においても平和は変化をしてはいけない部分であり、明るい未来のための根幹に平和を据え、参加の皆様とともに努力していきたい、との決意が述べられました。

 

 

 

 

       ▲森島理事長

 森島朋三理事長からは、立命館大学が戦争中に約3,000名もの学生を学徒出陣で戦場へ送り出し、多くの尊い命が失われた歴史の重みを改めて考えたいと呼びかけがありました。そして、世界を巡る情勢について自国優先主義、保護主義が拡大する中で、新しい時代の「平和と民主主義」が1960年代・70年代と同じであってはならず、国際協調を理性と寛容な精神で推進し、全ての国で幸福を追求できる「平和と民主主義」でなければならないと訴えがありました。立命館の使命は、立命館憲章で示されている「教育研究機関として世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する」ことであり、立命館が国際社会、世界の平和に貢献する存在であり続けるために、力を尽くしていきたいとの決意が述べられました。

 

 

     ▲石原教職員組合執行委員長

 

 石原一彦教職員組合執行委員長からは、沖縄の基地問題、武器の見本市開催、アメリカに見られる自国第一主義、朝鮮半島情勢をあげ、今日は本当に平和な世の中なのかと問いかけがありました。また16歳のスウェーデン人・グレタ・トゥーンベリさんの国連気候行動サミットでの演説で、地球温暖化のリスクに対してHow dare you!(大人たちは、なんてことをしてくれるんだ)」との痛切な訴えに対して、私たちは権利と責任を自覚し、平和と民主主義のために役割を果たしていく大人にならなければならないとの訴えがありました。そして、私たちは、平和と民主主義に向かう教育研究活動を通して、人間として豊かな生活を求めるための努力を続けていきますとの決意が述べられました。

 

 

 森島理事長、石原教職員組合執行委員長の発言にも触れられていた、ペシャワール会現地代表の中村哲医師が、2019124日、自ら復興のために献身してきたアフガニスタンの地で何者かに銃撃され、急逝されたことを受けて急遽開催した追悼展示「井戸も掘る医者」展に多くの参加者が見入っておられました。 


                ▲献花

           ▲追悼展示「井戸も掘る医者」